芸人界には「一発屋」と呼ばれる人たちが数多くいるが、かつて一世を風靡した、ぽっぽ、ぽぽぽというユニークな歌詞があることでも知られる『六本木~GIROPPON~』を歌っていたのが鼠先輩(52)だ。
2008年、デビュー&ブレイクしたものの、その直後にあっさり引退を表明。かと思えば、その1年後にKINCHOのCMであっさり復帰した。「需要があればどこでも行く」という軽やかなフットワークが持ち味で、「一発」で17年間家族を養ってきた。鼠先輩の、現在の生活ぶりとブレイク当時の生活について話を聞いた。(全3回の第1回/続きを読む)
◆◆◆
平日は酒飲んで寝て…知られざる現在の「収入源」
――2008年、自身が35歳のときに『六本木~GIROPPON~』がブレイクして17年になります。現在の主な収入源は何ですか?
鼠先輩 今、営業1本です。主に週末と祝日に仕事をして、平日は酒飲んで寝てる。呼ばれればどこへでも行きますよ。スナック、キャバクラ、競艇、パチンコ屋、屋形船。地方の企業のイベントも多いね。反社以外ならどこでも。
――『六本木~GIROPPON~』1本で、今も。
鼠先輩 そうそう。子供の頃それを聴いていた人が大人になって偉くなって、懐かしいからって呼んでくれるのか、ギャラが安いからなのか。だって、今の20歳ぐらいの子は俺のこと知らないよ。
イオンモールで「どうも」なんて出て行ったら、子供たちは「怖い人が来た!」って、蜘蛛の子を散らすように逃げていきますから。喋ったり、歌を歌ったりすると「なんか面白いおじさんがいる」って寄ってきてくれるけどね。
――営業は、ご自身で売り込みに行くんですか。
鼠先輩 いえ、全部オファーありきです。新規もあるけど、割と知り合いや、知り合いの知り合いとかが多いですね。
1回呼んでもらったところから、数年後にまた呼んでもらうこともよくあります。俗に言うリピーターと言っていいのかな。呼んでくれた人が誰かに僕の話をして、その人がまた誰かに話をして……というパターンが非常に多いです。
――地味な口コミが。
鼠先輩 そうです、そうです。そういう意味では、人間関係はすごく気を付けています。誰に対しても礼儀正しく、1回1回の出会いを大事にする。そもそも一発屋だし、綱渡り状態ではありますよ。

