切っても切り離せないパンチパーマ

――一度ブレイクを味わった後仕事が減るのは、怖くなかったですか。

鼠先輩 全然。デビューの時から一発当てたら引退するって決めてたし。2匹目のドジョウを狙ったとしても、あの一発は超えないと思いますね。ゆっくりキャラを変更していく人を別にすれば、スギちゃん、ゴー☆ジャスさん、ダンディ坂野さん、コウメ太夫さん……ビジュアル勝負の出落ち芸人みたいなキャラの人は多いけど、誰もずっと一線ではやってないでしょ。

 でも坂野さんだって「ゲッツ!」で家建ててるしね。当たって天狗になった人は消えていくけど、そうじゃない人って一発でずっと飯が食えるんだよね、面白いですよね。

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新型コロナ感染対策でゴミ袋を被って営業する鼠先輩 本人提供

――“一線にいたい欲”はなかったんですか。

鼠先輩 大阪の番組の楽屋で、(島田)紳助さんには「お前はキャラを変えたらこの先も残れる」と言われたことはあるけど、結局キャラはずっとこのまま。変えたらまた何か変わってたのかもしれないけど、ま、「たられば」だよね。

――変えなかったのは、なぜですか。

鼠先輩 愛情があったのかなあ。そうそう、東日本大震災の時に、節電しようという呼びかけがあったでしょ。パンチパーマって電気を使うから、一時期あてるのをやめて、坊主にしたんですよ。それで営業に行ったら、全然盛り上がらなくてね。どの現場でも「坊主だと鼠先輩っぽくない」とかって大不評。結局数ヶ月経ってパンチパーマをあてたら、営業先でも盛り上がってくれました。もはや鼠先輩とパンチパーマは切っても切り離せないものなんだよね。

©石川啓次/文藝春秋

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鼠先輩が送る楽しいハッピーソング
11月5日 新曲「Tick Tock」デジタルリリース
次の記事に続く 「俺が寝ている隣の部屋で父親と愛人が…」一発屋・鼠先輩(52)が語る、「ぽぽぽ」で借金を返して絶縁した“クソ親父”との少年時代の記憶

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