「鳴くまで待とう」で禅譲を待ちすぎた
すると翌日の朝日新聞。
「岸田氏 総裁選へ板挟み」(7月18日)。
岸田派(48人)の臨時総会で、岸田氏は9月の総裁選への対応の一任を取り付けた。
しかし、若手を中心に「絶対に出馬すべきだ」との声がある一方でベテランには慎重派が多いという。
派閥ナンバー2の事務総長を務める望月義夫・元環境相は、
《「うちは鳴くまで待とうの徳川家康だ。焦って安倍さんを怒らせたら大変だ」と周囲に語る。》
ああ、ここでもまた戦国武将にたとえてる。「うちは鳴くまで待とうの徳川家康だ」。そのうち家康が怒ってきそう。
なぜそこまでへっぴり腰……いや、慎重なのかと言えばこちら(読売新聞 7月18日)に詳しく書かれていた。
《岸田派は、安倍首相を支えて岸田氏が後継の席に就く「禅譲路線」を基本戦略に据えてきた。》
一方、
《今回出馬しなければ、「ポスト安倍」候補の主流が河野外相や小泉進次郎筆頭副幹事長ら次世代に移りかねないとして、若手を中心に「総裁選に出て知名度を上げるべきだ」という主戦論も根強くある。》
岸田氏、悩んでます。
そもそも禅譲されるほど安倍さんと近いの?
ではここで約1か月前の新聞をみてみよう。
「総裁選悩む岸田氏 出馬か 禅譲待ちか 」(読売新聞 6月29日)
今とまったく変わっていない! ずっと悩んでる!
それにしてもザワザワするのは「禅譲」というキーワードだ。おとなしくしてたらホントに禅譲してもらえるの? 総裁選の歴史をみたら甘い考えじゃないの? そもそも岸田さんて安倍さんと政治信条が近かったっけ?
たとえば憲法観。次のコメントに注目した。
「憲法9条は非常に重要な条文だ。岸田氏に総裁選の争点を作ってもらえれば」
これは岸田派の副会長である山本幸三氏の発言である(読売新聞 6月29日)。