最終的に入場者数の総計は2204万9544人に達した。会期中何度でも入場できる全期間入場券が地元を中心に売れ、リピーターが多かったことも特筆される。同券購入者の一人当たりの平均入場回数は11.05回にのぼった。なかには会期中、全185日間皆勤した主婦も現れるほどだった。

万博跡地にジブリパークがオープン、愛知の新たな観光スポットへ

 万博閉幕後、会場跡地に整備された愛・地球博記念公園の愛称も「モリコロパーク」と、モリゾーとキッコロの名前が使われている。今年、愛知万博の開催20周年の記念事業が展開され、二人が出演する機会も再び増えた。

 モリコロパークの園内には2022年、スタジオジブリの各作品の世界を再現するなどしたジブリパークもオープンし、愛知の新たな観光スポットとして国内外から観光客が訪れるようになった。愛知万博では『となりのトトロ』に出てくる「サツキとメイの家」がパビリオンとして再現され、閉幕後も公開が続けられてきた。その縁もあって、当地にジブリパークが実現したのである。

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ジブリパークのメインエリアである「ジブリの大倉庫」の入り口 ©杉山拓也/文藝春秋

 筆者も今春初めて訪れたが、施設のひとつ「ジブリの大倉庫」に予約した入場時間を前に並んでいたところ妙な既視感が……。記憶をたどってみると、その建物がかつての愛知万博のテーマ館「グローバル・ハウス」の一部であることに気づいた。万博開催中もほぼ同じ場所に並んだのだった。

2025年の大阪・関西万博で残されるものは

 ひるがえって、今回の大阪・関西万博では、大屋根リングの一部や、会場中心部の「静けさの森」などは保存する方針のようだが、跡地を全体的にどのように利用するかは閉幕後検討されることになる。

閉幕が近づき、来場者で賑わう大阪・関西万博。大屋根リングの設計をはじめとした会場デザインのプロデュースは、建築家の藤本壮介氏が務めた ©文藝春秋

 すでに会場の隣りでは、万博開催と前後して計画されていたカジノを含む統合型リゾートの建設が始まり、何機ものクレーンが稼働しているのが会場からも見える。それとの兼ね合いも気になるところだ。ちなみに人気の公式キャラクター・ミャクミャクの出生地は「関西のどこかにある小さな湧水地」だとか。ミャクミャクのためにも、跡地はきれいな水辺のある、自然の豊かな場所にするのが一番ではなかろうか。

大阪・関西万博でのミャクミャク(4月13日撮影) ©CFoto/時事通信フォト
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