――男性が多いから、というのもありそうですね。
あま猫 そうですね。女性かつ素人意見は軽んじられちゃうところもあるので、「あまり快く思われてないのかなぁ」とは思います。でも、そこは時代とともに変わっていくと思うので、今はちょうど転換の時期なのかなとも思っています。
――そのあたり、実感として変わってきているところはありますか?
あま猫 これは少し話が違うかもしれませんが、発信し続けると認識が変わってきます。私が最初にフェラーリを購入したときには「パパ活だ」「男がいる」とめちゃくちゃ言われましたけど、最近は「金持ちがお金を見せびらかすようなことをするな」という批判に変わってきました。別にお金持ちなわけではないのですが(笑)。実はそれだけでも進歩でして。「女だから買ってもらっている」という意識は少しずつ変わってきたような気もするので、続けてきてよかったなと思っています。
事故で泣く泣く手放した愛車が「修復歴なし」として市場に…
――とはいえ、やはり批判コメントは届くわけですね……。これまで車系YouTuberとして活動する中で、ピンチはありましたか?
あま猫 実は、中古車業界の人たちに怒られた事件がありまして。以前、フェラーリの488スパイダーに乗っていたんですが、その車が追突事故の被害を受けて、残念ながら手放すことになってしまったんです。お世話になっていた正規ディーラーから「もし直したとしても、(フェラーリの正規の手法にて修理をすると)修復歴が残ってしまう。そうなると資産価値が一気に下がるので、“保険を使って手放す”という形を取らなければ1000万円以上の損失が生じる」と言われてしまって泣く泣く手放しました。
でもそれから8カ月後、車体番号もまったく一緒のフェラーリが「修復歴なし」として市場に出回っていたんです。「修理をしても修復歴が残るって聞いていたのに、なんでなんだろう」と素直な感想を発信したら、「そんなのは業界では当たり前だ」という反応を多くいただきました。
素人目線で「なんで?」と思ったけれど、業界の人からするとタブー視されているような問題だったらしいんですよね。掘り下げてみると、走行安全性が担保される本来あるべき修理方法を用いることなく、車両の資産価値だけを保持するために修復歴として残さない修理方法を採用したり、なかには開示すべき修復歴を恣意的に隠すような修理をする業者さんもいるみたいで。
そういう実態があることを学ぶ機会になったのでよかったなと思いますが、純粋な疑問から生まれた消費者目線の問題提起をしたところ「これが当たり前なのだから営業妨害だ! 謝罪しろ!」といった連絡が大量に来たので、ちょっと心が折れそうになりましたね。
