SNSを通して感じる片目失明者への無理解

――片目失明者の方の現状をお聞きすると、意外なことが多いです。それにRibさんのXを追って、片目失明者がびっくりするような偏見に晒されていることも初めて知りました。

RibdさんのXより

Rib リプライが酷すぎて笑っちゃうこともありますね。

 私が好きな書籍『誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える』(田中みゆき著)に書かれていることなのですが……この世界ってマジョリティのために作られていて、多くの人にとって開けられないドアはないし、行けないところもない。たとえアクセスできない何かがあっても、時間をかけていずれは解消されていく。一方でマイノリティに属する人の悩みは、そもそも「発見すらされていない」というところがあるんです。

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 だから、私はそれを知ってもらうために活動をしている、というところがあります。

――ご自身が活動されることで、発見されていない悩みを知ってもらおうと。

Rib はい。でもそうやって義眼ユーザーへの理解を深めようと活動をしてきたけれど、SNSを通して改めて「ああ、まだまだだな」と感じることが多々あります。

 私は顔出しして活動しているので、どうしても誹謗中傷というのがつきまとってくる。ただ、こういう活動をする前から嫌な言葉を浴びせられることも日常的にあったので、片目失明者のかたは大なり小なり、同じような経験をしてきていると思うんです。

©︎文藝春秋 撮影・細田忠

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 つづく第2回は、片目失明者として過ごしてきたRibさんの壮絶な体験や、乗り越えてきた苦しい思いについてうかがっています。

次の記事に続く 「眼球にガラスが刺さった状態で、1週間放置され…」片目失明者・Ribさん(31)が語る、幼少期のケガと思春期に浴びせられた罵詈雑言

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。