全工程、自身で完結しているRibさんのオリジナル「光る義眼」

――現在はRibさん1人で義眼づくりの全工程を完結できるんですか?

Ribさん 光る義眼については自分だけで完結しています。私がコンテストで受賞した作品が大きく3つあって、1つが最初の星空みたいな義眼、1つが光る義眼。

 最新の、現在展示されている星のマークの義眼は、1カ月という短い製作期間で作品を仕上げなくてはいけなかったので、自分1人では厳しいと思い、以前お世話になった工房で設備をお借りしながら、協力いただいて作りました。

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©︎文藝春秋 撮影・細田忠

――今までのRibさんの受賞歴を簡単にお聞かせいただけますか?

Rib 2022年の12月に「CREATIVE HACK AWARD」でグランプリをいただきました。これは「既成概念を打ち砕くもの」であれば、どんな作品でも応募できるというアワードなんです。ちょうど応募時期に、初めて自分でデザインした義眼ができたばかりでしたので「この義眼をもとに、発信活動をしていきます」という決意も記載して応募しました。

――「活動する」という意味合いも含めての受賞なんですね。

Ribさん そうです。作った過程や、作品の意義なども含めて審査対象なんです。

 そのあとオーストリアで行われている世界的なメディア・アートの祭典「アルス・エレクトロニカ」で行われるコンテストの「インタラクティブアート・プラス」というカテゴリで、光る義眼で「優秀賞」実質、準グランプリに当たる賞を受賞しました。このとき、現地での授賞式に招待いただいたんですが、妊娠していて臨月だったので、残念ながら出席できなかったんです。

――オーストリアに。

Ribさん 行きたかった!(笑)

――ですよね! 応募は外国語で?

Ribさん 英語です。妊娠中のつわりと闘いながら作品を撮影して応募しました。

新たなアートコンペ受賞を弾みに、続いていくRibさんの活動

――そして今まさに選考を兼ねた展示が開催中とのことですが。

Ribさん はい、六本木の東京ミッドタウンでの「TOKYO MIDTOWN AWARD」というアートコンペで、今月グランプリを受賞しまして、作品と制作風景などが大きなモニターで見られる映像を出展中です。11月9日までパブリック投票もあるので、観て気に入っていただけたら、投票いただけると嬉しいです。

RibさんXより

――近年とてもノっているRibさんですが、これからやりたいことは、インタビューの最初にうかがったことと変わらないでしょうか?(#1参照)

Ribさん はい。マイノリティの立場から見た今の社会の不均衡さを埋めていきたい、改善していきたいというところが大きいです。これからもアーティストとして活動しながら、発信を続けていきたいと思います。

最初から記事を読む 「眼球全摘出しろ、しないなら甘えだ」という声も…片目失明者・Ribさん(31)が明かす、変化を望む“義眼業界”の現状

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。