なかなか貯蓄が出来ない、ましてや投資にはとても回すお金がない……戦前、そんな悩みに答えたひとりの東京帝大教授がいた。彼はどのように答え、そして大きな財産を築くことができたのか。『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』より一部抜粋し、誰でもまねができる“貯蓄術と投資術”をご紹介する。(全3回の3回目/#1を読む#2を読む

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インデックス投資で他人に差をつける方法とは

 投資ではインデックス投資が、ベターだと繰り返し述べている。他の投資と違い、インデックス投資は全員、同じリターンを得られる再現性も強みだ。しかし、そのインデックス投資で他人に差をつけて儲けられる方法がある。

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 それはなんだろう。

 答えは入金力だ。

 例えばインデックス投資のリターンが10%として、資金が1万円だったら1000円、1億円だったら1000万円の収入になる。当たり前だが、入金力が大きい方が成果が大きい。それに複利の力を考えると、若いうちから入金力が高い人が圧倒的に有利といえよう。

写真はイメージ ©beauty_box/イメージマート

戦前を代表する投資家に学ぶ“貯蓄術と投資術”

 では、どうすれば入金力は高められるのか。

 一つは倹約して浮いた分を投資に回すということである。戦前を代表する投資家で本多静六という人がいた。本業は東京帝国大学教授。ドイツで森林学を学び、「公園の父」と呼ばれ日比谷公園や明治神宮の森を造るなど数々の業績を残した。もう一つ、独自の「本多式」と呼ばれる貯蓄術を提唱し、現在のおカネにすると数百億円儲けたという。実家は貧しく、まさにサラリーマンをしながら、腕一つで巨額の資産を作った。

 そのポイントはこうだ。

「月給の4分の1と臨時収入すべてを天引きして貯蓄か投資に回す」というもの。天引きというのは文字通り収入があったら自動的に金融機関の口座に移してしまうこと。よく、投資は余裕資金でというが、収入から支出を引いた残りはたいしたことがない。どうしても不必要な支出をしてしまうからだ。しかし、最初から天引きをすれば少ない収入で暮らせ、生活レベルも抑制できる。まさに一石二鳥といえよう。