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A社とB社、どちらに投資するのが正解? 答えは……
少々引っかけ問題風になるが、先のA社とB社のケースに付け加えて、それぞれの成長率予想を反映した株価が形成されている時に「では、A社とB社のどちらに投資するといいか?」と問うとしよう。
A社かB社かを回答者の好みで選ぶかもしれないが、これは問題が意地悪だ。
金融論的な正解は「A社とB社と両方に分散投資する」だ。これで、期待リターンの6%は維持されたまま、常識的には1銘柄にだけ投資するよりも2銘柄に分散投資する方がリスクは小さくなる。分散投資をしない理由はない。
資金を提供しているのだから無リスク金利分を稼ぐのは当然だとして、リスクを負担することの対価としてのリスクプレミアム(本書では年率5%程度と想定)をいかに上手く集めるかが投資家の課題となる。
答えは、分散投資でリスクを低下させて、低コストな投資手段を使うことでコストを抑えて、長期にわたって投資して「リスクプレミアムをたくさん集める」ということになる。
これに、無駄なマイナスとしての手数料は小さい方がいいことが当然だという常識を加えると、「長期・分散・低コスト」の投資の三原則が完成する。
この点は、私の息子なのだから、他人に説明できるくらいスッキリと理解しておいてほしい。


