5年ぶりの主演ドラマ『スキャンダルイブ』(11月19日よりABEMAにて無料配信)に主演した柴咲コウは、今までに「よくそれでやってこられたね」と言われたことがあるという。その時、柴咲が思ったことは、そしてなぜ群れずにたった一人で厳しい業界を生き抜くことができたのか。(全4回の4回目/#1、#2、#3を読む)
◆◆◆
「表現」と「ビジネス」で頭をスイッチ
――俳優、歌手でありながら、アパレルブランド「MES VACANCES」などを展開するレトロワグラース株式会社の代表取締役でもあるわけですが、「表現」と「ビジネス」でモードを切り替えていらっしゃる?
柴咲 それは確実にあります! というか、頭をスイッチできないと追いつかない。会社の運営はちょっと左脳的になる必要があるんです。感性だけでは成り立たないので。だからクランクアップした次の日に会議、というのは結構難しくて。
――役として別の人間を生きていたわけですしね。
柴咲 そうなんですよ。役を引きずるタイプじゃないと思っていたんですが、それでもやっぱり残っちゃうものだなと。でも『スキャンダルイブ』の井岡さんは、社長という点では私と地続きな役なので。撮影の合間でも「じゃあ会議しようか」とスムーズに移行できました(笑)。
会社の運営は周囲のサポートがあってこそ
――社長としての在り方は、井岡さんと重なる点はありますか?
柴咲 私も彼女も、周囲にすごく助けられている。井岡さんでいえば、橋本(淳)さん演じる副社長の香川が献身的にサポートしてくれているわけで。作中ではあまり描かれていませんが、きっと井岡さんが独立してからずっと、ある意味で妻のように支えてくれていたと思うんですよね。
私も当然、会社の運営は一人では絶対にできません。取締役やスタッフあってのレトロワグラースです。創設当初は手探りだったのもあって、「ついてこい!」とワンマン寄りでやっていこうとしたんです。『スキャンダルイブ』でいえば、KODAMAプロの蓉子さんが割とそのタイプかな。私も「自分が何とかしなくちゃ」と意気込んでいました。でも徐々に「やっぱり違うかも」と学んできて。この数年は「任せる!」をキーワードにしています。

