ジムのインストラクターやモデルとして活動する、神奈川県在住のエリさん(28)。今年、SNSで「私は日本人の両親のもとに生まれました。でも、顔立ちはどこか日本人離れしていて、子どもの頃はそれがコンプレックスでした」と自身の生い立ちを公表し、大きな反響を呼んだ。
なぜ日本人の両親から生まれたエリさんは、日本人離れした顔立ちをしているのか。エリさんがインタビューで明かした、“出生の秘密”とは――。
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「ハーフなの?」と言われ続けた小学生時代
エリさんは小学生の頃から「ハーフなの?」と言われ続けてきた。当初は意味も分からず「そうだよ」と答えていたが、次第に鏡を見て「私の何が周りの子と違うんだろう?」と悩むようになった。いじめのターゲットにもなり、「掃除の時間にゴミをなすりつけられたこともありました」とつらい経験を語る。
成長するにつれ「この顔で日本人ってありえなくない?」という思いは強くなっていった。そして20歳の誕生日、父親に真実を尋ねると「ハーフだよ」という答えが返ってきた。
アメリカで卵子提供を受けた…父親から明かされた出生の秘密
驚愕の事実は、両親がともに54歳という高齢でエリさんを授かったことに関係していた。自然妊娠が難しかった両親は体外受精を選択。当時日本では体外受精があまり行われておらず、アメリカで卵子提供を受けたのだ。「両親は日本人のドナーを希望したそうですが、見つからなかったので、白人の方の卵子を提供してもらうことになって」とエリさんは説明する。
母親にこの話を伝えると、「そんなわけないでしょ。お父さんが嘘ついてるだけだよ」と言って部屋に閉じこもってしまった。「あの時は『私、お母さんの子じゃないんだ』と衝動的に言ってしまいましたけど、そう感じたのは、事実を知ったあとの一瞬だけ」とエリさんは振り返る。
母が亡くなるまで、この話題は2人の間でタブーとなった。さらに驚くべきことに、母親は自分の年齢も20歳若く偽っていた。中学生のエリさんが母の健康保険証を見て、実年齢を知ったという。
「自分がやりたいことをして、天国にいる両親を喜ばせたい」
今年1月に82歳で母親を見送ったエリさんは「人生はいつ終わるか分からない」と実感し、やりたいことに挑戦する生き方を選んだ。「親が大変な思いをして産んでくれた命なので、これからも自分がやりたいことをして、天国にいる両親を喜ばせたいと思っています」とエリさんは語る。
モデルとしての活動を通じて、かつてコンプレックスだった容姿を「人と違うことが武器になる」と前向きに捉えられるようになった。今後もSNSでの発信を続け、「体外受精についてももっと勉強して、同じような境遇の方や、これから親になろうとしている方の支えになるような情報を伝えていきたい」と話している。
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