「間違いなく、生涯で一番の苦しみ」
苦しさに悶え、動かない手足を精一杯ばたつかせること数秒、自分の口の中を大きなパイプが占領していることに気づき、どうにかそのパイプをどかそうと口やベロを動かして格闘することさらに数秒、ようやく看護師さんが、息ができなくて苦しんでいることに気づいてくれて、パイプを外してくれました。その後、手の拘束も解いてくれました。足は拘束されていたのではなく、ベッドに付随しているむくみ防止のマッサージ機が巻かれていただけでした。
たった数秒でしたが、この瞬間が耐えがたい苦しみでした。水中で息を止めているみたいな苦しさではなく、体の中に酸素がなく、今にも息の根が止まるような苦しさ、心の底から空気を渇望する息苦しさでした。間違いなく、生涯で一番の苦しみです。
この時慌てず暴れず、苦しさを受け入れていたのならば、死ねたかもしれませんが、あまりにあれは苦しすぎで、死ぬつもりでも、耐えられそうにないと思います。看護師さんがそばにいて私の苦しさに気づいてくれたからよかったものの、病室で1人の時に目を覚ましたらと考えると、とてつもなく恐ろしい話です。怖すぎます。
それに、この息苦しさによって、私の中の首吊りなどへの恐怖心は肥大化してしまいました。意識のない人間を生かすために口に入れられていたパイプで、なんで息が苦しくなるのでしょうか、と聞く余裕もなく、パイプが外れた後も、脳や視界はぼやけたままで、パニックになった次は、しばらく放心状態でした。
それと、このパイプがベロに当たっていたようで、その後2週間ほど残る口内炎がベロにできました。これがまた、ひどく厄介な口内炎でした。サイズは結構大きく、小指の爪くらいはあり、食事中もそれ以外もずっとヒリヒリしていて、気になって気になって仕方がありませんでした。
ベロに貼るシールのような薬を処方してもらいましたが、五分もしないで、すぐに剥がれてしまい、まったく効果がなかったです。少しベロを動かすだけで、歯や歯茎に当たるので、尿道の不快感に並んで、常に口内でもストレスが発生していました。
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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
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