出会って100日の日本人男性と結婚した理由は「ひとめぼれ」

――夫の勝又成(かつまたしげる)さんとはどこで出会ったのでしょうか。

ムン 冷麺店をオープンする時に材料の仕入れで苦労したんですよ。北朝鮮人は韓国では外国人と見られることも多い。韓国は商売のライバルにも厳しいですよね。醤油を買う場所も教えてもらえませんでした。

 そのことを教会で相談したら「このお店のオーナー、日本人だよ。聞いてみたら?」と紹介してくれて。それが成さんのお店だったんです。

ADVERTISEMENT

 店舗を訪れたら、厨房に連れていってくれて丁寧に教えてくれたんですよ。韓国で厨房を見せてくれることってほとんどないので「イケメンだし、親切!」ってなりました。

 

――衝撃的な出会いだったんですね。

ムン 連絡先を聞いてワーッと近づきました(笑)。そしたら付き合おうと言ってくれて。住んでいるところから50キロくらい離れていたんですけど、毎日車を運転して会いに行っていましたね。

――出会ってから100日で結婚したと聞きましたが……。

ムン プロポーズしてくれたので結婚しました。でも言葉や文化の壁も大きかったんです。彼のお母さんは韓国の方なんだけど、生まれと育ちは日本。韓国語もあまり話せなかった。私も日本語はわからなかった。

 

――どんなところに文化の違いを感じましたか。

ムン 北朝鮮は昭和の日本のように家族を大事にします。でも、彼は体育会系だったので、友人を大切にします。最初は「家族よりなんで友達なの!!」と怒ったりして。ケンカになることも多かったですが、いまは顔を見れば大体のことはわかるようになりました(笑)。