キックボクシングで試合デビューを目指していたけれど…
ニケライ 当時は納得がいかなかったんですけど、今は基礎がどれだけ大事か身に染みているので、先生の判断は正しかったと思います。キックボクシングジムで練習していたら、「ちょっと頑張ってみない?」って言われて、試合を視野に入れた練習をするようになったんですよね。
――声優をしながら?
ニケライ もちろんです! でもせっかく声を掛けていただきましたし、何よりも楽しかったので、キックボクシングのリングに上がるつもりでした。プロデビューしている子たちと混ざって、私も昼練に参加して。本格的に取り組んでました。途中からは複数のジムに通って、定期的に他のジムの出稽古に行って、女性選手とのスパーリングの機会を増やしていました。
そういうことをしながら、試合デビューを目指していたんですけど、打撃って怪我するんですよね。当たり前ですけど。私は2回やっちゃったことがありまして、1回目は収録中に、「なんか今日、鼻詰まってない?」って言われて、鏡で自分の顔を見たら、鼻が曲がっていて。殴られたときに曲がっちゃったんでしょうね、私、全然気が付かなくて。で、もう一回は、カーフキックの練習をしていたときで……当時、堀口恭司選手のカーフキックが流行っていたんですけど、分かります?
――分かります。ただ、声優さんのインタビューで、「カーフキック」という単語が出てくるとは思いませんでした。
ニケライ その練習をしていて、相手がムエタイの選手だったんですよ。私が、カーフキックを繰り出したら、相手がカットが上手い選手で、逆に私の足が破壊されて松葉杖生活に……。松葉杖をつきながら収録現場に向かって、松葉杖をつきながらアフレコをしていました。このまま続けていたら本末転倒だなと思いまして。それで、打撃はダメだと思って、柔術にシフトチェンジしました。
