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トランプの暴言より面白い 思わず誰かに話したくなるインテリジョーク【アメリカ編】

早坂隆『世界はジョークで出来ている』から傑作選!

2018/08/28
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シャレにならない世界情勢は「ジョーク」で笑い飛ばすしかない! 習近平、トランプら独裁者の「生態」からお隣の国の「本音」まで、世界中のジョークを集めた早坂隆『世界はジョークで出来ている』から傑作選!

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トランプジョークの傑作

 第45代アメリカ大統領に就任したのがドナルド・トランプ。ジョーク界待望の「ニュースター」の誕生であった。

©getty

 父親のフレッド・トランプはドイツ系アメリカ人で、叩き上げの著名な不動産開発業者。母親のメアリー・アンはスコットランドの出身である。

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 そんな2人の第四子として、トランプはニューヨークで生まれた。2人の教育方針は厳しく、家庭内では「汚い言葉使いは厳禁」だったという。現在の「暴言王」としての彼の姿を思えば、教育とはつくづく困難なものだと考えさせられる。

 そんなトランプ、少年時代は「悪ガキ」で、教師を殴ったという武勇伝も。あまりの素行の悪さから、父親によってニューヨーク・ミリタリー・アカデミー(陸軍幼年学校の一つ)に転入させられた。

 その後、フォーダム大学に入学し、ペンシルベニア大学の経営学部(ウォートン・スクール)に転校。不動産についての知識を学んだ。

 父から経営の基盤を譲り受けてからは、ホテルやカジノといった様々な分野に進出。1982年には、マンハッタンのランドマークとなる「トランプタワー」を完成させた。

 1990年代に多額の債務を抱えた時期もあったが、銀行側とタフな交渉を続け、この危機を乗り越えた。付いたニックネームは「アメリカの不動産王」。

 トランプの知名度をあげたのは、テレビ番組への出演であった。番組の最後に司会役のトランプが発する、

「おまえはクビだ!(You're Fired!)」

 という決め台詞は、広く人気を集めた。

●切手の行方
問い・トランプが「切手がなくなった!」と騒いでいる。どこにある?
答え・舌の上。

●実験
 とある学者が、アメリカの歴代大統領たちの記憶力について調査していた。
 最初の被験者はクリントン元大統領だった。学者はクリントンに一人の男の横顔が写っている写真を見せてから聞いた。
「今の男の特徴を言ってください。どんな男でしたか?」
 クリントンが答えた。
「はい。耳が一つしかない男でしたね」
 学者は驚いた。
(横顔というのがわからないのか? なんてバカな男だ)
 次に学者はブッシュ元大統領にも同じ実験をした。ブッシュの答えもこうだった。
「耳が一つしかないようでした」
 学者はますます失望した。
(こんな男たちが我が国の大統領だったとは)
 学者は最後の望みを託すように、トランプにも同じ実験を試みることにした。
「今の写真の男の特徴を言ってください。どんな男でしたか?」
 トランプは答えた。
「うむ。確か眼鏡はしていなかったな」
 学者は嬉しそうに言った。
「そうです。その通りです! やっとまともな答えに出会うことができました。確かに写真の男は眼鏡をしていなかった。こんなことは本当なら簡単にわかるはずなのに……」
 それを聞いたトランプは、少し照れながらこう言った。
「まあな。簡単な話さ。耳が一つしかなかったからな」