トランプの経済政策をジョークにするなら
アメリカ経済は、名目GDP換算で世界最大の規模。まさに世界経済の「牽引役」である。トランプ政権発足後、株式市場を筆頭に金融マーケットが堅調に推移してきたのも事実である。
しかし、トランプ政権が掲げているのが「保護主義の推進」。
「不公平な貿易に対し、貿易協定そのものを見直す」
というスタンスは、選挙期間中からの公約であった。日本についても、
「日本がアメリカの牛肉に38%の関税をかけるなら、日本車にも38%の関税をかける」
「アメリカは日本との間に年間700億ドル(約8兆円)もの貿易赤字を抱えている。対日貿易は公正ではない」
といった発言を繰り返している。
TPPに関しても二転三転。就任後、すぐに離脱を表明したトランプだったが、2018年1月に開催されたダボス会議の場では、
「アメリカはすべての国と互いに利益となる二国間貿易協定を交渉する用意があり、TPPも含まれる」
と述べた。
2018年3月、アメリカは鉄鋼とアルミニウムの関税を上乗せする輸入制限措置を発動。さらに、「中国がアメリカの知的財産権を侵害している」として、通商法301条に基づき、中国からの輸入品に高関税を課す制裁措置を発動すると決定した。これに対して、中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官は、
「典型的な貿易の保護主義で、中国は断固として反対する」
「貿易戦争を望まないが、恐れもしない」
とアメリカを強く批判。そして、今後の対応について聞かれた華春瑩報道官はこう言った。
「お返しをしなければ失礼にあたる」
国際的な貿易体制が、根本から揺らぎつつある。
●願い
食肉を扱うアメリカ企業のCEO(最高経営責任者)が、ローマ教皇に謁見して言った。
「大事なお願いがあるのですが」
「言ってみなさい」
「『天にまします我らが父よ』というお祈りの言葉の後の『我らに日々のパンを与えたまえ』という部分を『我らに日々のステーキを与えたまえ』に変えていただきたいのです。お金ならいくらでも出しますよ。1000万ドルでいかがですか?」
ローマ教皇は激怒した。
「おまえは何を言っているのだ? 帰りなさい!」
CEOはローマ教皇庁から叩き出された。CEOは首をかしげながら言った。
「いったいパン屋どもは、いくら払っているんだ?」