元彼に復讐するためにはじめたトレーニングで筋トレにハマり、退職。運動未経験からわずか5年でプロボディビルダーになったマッスルおりんりんさんに、ボディビルの醍醐味から女性ゆえの困難まで、話を聞いた。(全3回の2回目/続きを読む

マッスルおりんりんさん

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会社ではタンクトップで真っ黒い腕を出して、あだ名は「チョコバット」

――2020年頃からボディビルダーを目指し始めたということですが、当時は会社員だったんですよね。同僚も驚いていた?

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マッスルおりんりんさん(以下、おりんりん) その会社に転職した時には既にトレーニングをガッツリやっていたので、会社の人には目に見えて大きな変化はなかったのかなと。

 でも、クセの強い社員だったとは思います。スーツの下はいつもタンクトップで、真っ黒い腕を出して働いて。あだ名は「チョコバット」でした(笑)。

――会社員生活とトレーニングを両立するのは大変だったのでは?

おりんりん 男性ばっかりでバチバチの営業の会社で、始発から終電まで働いて、成績が伴ってなければ土日祝日も出勤するような、決してホワイトとは言えないような環境でした。

 そんな中でも絶対に週3、4回はジムに行きたかったので、トレーニングに行ったおかげで終電を逃してビジネスホテルに泊まることもありましたね。睡眠時間は毎日3時間とかでしたけど、それでも筋トレできないと病んじゃうので。

筋トレを始める前のマッスルおりんりんさん (本人提供)

――睡眠時間が短くなっても、筋トレした方が頑張れる?

おりんりん そうです。上司は自分がボディビルを目指していることを理解してくれていたので、周りに「おりんりんのことは飲み会に誘わないように」って配慮してくれて。

 それでも、出張とかでトレーニングができなくなってきた時、「最近、表情も暗いし元気ないけど、人間関係で悩みでもある?」と上司に言われて。そこで、「人間関係じゃなくて、トレーニングがしたいけどできなくて悩んでます」と泣いたこともありました。変わった子ですよね(笑)。

 結局、トレーニングの時間を確保するためにゴールドジムの近くに引っ越して、3年くらい経った頃、ジムのトレーナーに転職しました。

 あと、会社員の時に大変だったのはスーツですね。

――スーツのサイズ問題ということ?