ビーフジャーキーの匂いが苦手になった

――精神的な後遺症はありますか?

小島 怖い経験ではあったけれど、元々犬好きなので全く問題ないだろうと思っていました。でも、ワンちゃんを散歩させている方とすれ違う時に、「ご機嫌は悪くないかな」と様子をうかがっている自分に気づいて、多少は影響があるのかもしれません。

 あとは、ビーフジャーキーの匂いが苦手になりました。恐らく、顔を噛まれた時にワンちゃんのご飯の匂いがしたのだと思います。先日、口にしようとすると当時の情景が思い起こされるようで、食べるのをやめてしまいました。

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©深野未季/文藝春秋

――飼い主の方とは、その後どんなやり取りがあったのでしょうか。

小島 治療費は、知人が加入していた保険で補償していただくことになりました。また、私の任意保険の「弁護士特約」が、自動車事故以外にも適用されることが分かり、弁護士を通じて保険会社とやり取りができるようになりました。

 今回の件で、知人はある意味では私よりもつらい思いをしています。直接話さずに済むことになり、心の負担を少しは軽減することができました。

――顔に傷を負うのは相当なショックだと思われますが、当初から前向きに振る舞う姿が印象的でした。

小島 グラビアアイドルだった若い頃は、「生きているのがつらい」と思い悩むことが多かったのですが、今は随分変わったと思います。

 30代で福岡に移住してから、心理カウンセラーの資格を取得した過程で、内面の弱さに向き合い自己分析することで、少しずつ生きづらさが解消されていきました。

 また、8年ほど前から両親や身内の介護をしてきたので、精神的に鍛えられたのだと思います。