関東進出のナゾを聞いてみた
「関東地方には埼玉県と茨城県に100店舗展開しています。商品のラインナップは、基本的に北海道と同じです。北海道産の食材を使った質の良い商品をお手頃な価格でお届けする。これは北海道でも関東でも変わりません」
こう話してくれたのは、セイコーマートの関東地区で営業を担当している西島千貴さん。
「たとえば、羊蹄山麓の『Secoma 京極の名水』。ミネラルウォーターとしても販売していますし、この水を使ったコーヒーも人気商品です。豊富町にある牧場でとれた牛乳は濃厚で美味しい。アイスにももちろん使っています。カップ麺では、やはり『Secoma 山わさび塩ラーメン(改)』、北海道でもこちらでも人気がありますね」(西島さん)
西島さんによると、セイコーマートのPB商品は北海道にあるグループ会社の工場で作られていることも特徴だとか。ずらりと並んだセコマオリジナルの牛乳も、北海道は豊富町にある牧場で生産され、同町内にあるグループ会社の工場から運ばれているものだ。
「セイコーマートでは、商品の配送もすべてグループ会社の配送センターから運んでいます。北海道内はもちろんですが、関東の店舗も同じです。
茨城県の大洗港と苫小牧港を結ぶフェリーを使い、北海道で作られたオリジナルの商品を各店舗に配送しています」(西島さん)
商品を届けたトラックを空で帰すのはもったいない。そのため、本州の食材を積んで帰っているという。
「冬は北海道で野菜が採れなくなるので、茨城県産などの野菜を積んで運んでいます。そのほか、本州のメーカーに委託している商品なども引き取り、帰りのトラックに載せることで、できるだけ空で戻さないように工夫しています」(西島さん)
セイコーマートのグループ会社には水産物関連の会社から農業法人、惣菜やパン、和菓子・洋菓子やアイスの製造メーカーまで、つまりコンビニで扱う商品をひととおり扱う会社が揃っている。配送も自らの手で。そして北海道内ならば、商品を配送した先がもうそのまま大生産地ばかりだ。
北海道ならではの原材料がグループ会社の工場に集められ、商品へと加工されたのち各店舗に配送されていく。店舗への配送を終えたトラックは近隣の工場へ向かい、再び商品を積んで戻っていく……こうした流通のループが、お手頃で高品質のプライベートブランドに繋がっているのだ。
そして、そのループの途中でちょっと(といってもだいぶ遠いけれど)寄り道して、関東地方にもやってきてくれている。


