1973年、史上最大級のロックフェス「サマージャム」へ向かう途中で、高校生カップルが忽然と姿を消した。27年後、「川で溺れた」という新証言が浮上し、さらに40年後には「父親はレイプの常習者」という衝撃の証言も──。それでも事件は、なぜいまだ“未解決”のままなのか? 突然失踪した人々、迷宮入り殺人、身元不明の遺体、原因のわからぬ怪現象、謎だらけの不審死など、今なお真相が闇に包まれた古今東西81のコールドケースを扱った文庫『読んで震えろ! 世界の未解決ミステリー』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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新証言「父親はレイプの常習者」

 2013年10月、未解決事件を引き継いでいたニューヨーク州サリバン郡の警察当局に、フロリダ州在住の51歳女性から、また新たな情報が寄せられる。

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 1973年当時、彼女はコンサート会場となったワトキンズ・グレンから約20マイル離れたウェインという街に住んでいたのだが、同年7月28日の昼間、父親と地元のレストランに行き、そこでテーブルに座っていた1人の青年に近づいて名前を聞いたところ、ミッチェルと名乗ったそうだ。

 彼女によれば、自分の父親はレイプの常習者で、ミッチェルと名乗る男性も父親に性的被害を受けたうえに殺害されたのではないかという。