かぐら はい。中央競馬はもちろん、地方競馬であっても海外の競馬場であっても、すべて行っています。トークショーなど、レースではないイベントにも駆けつけていますよ。
武豊騎手に「ついていく」ために教員を辞めて
――ファンになって、武豊さんの追っかけを始められるまでは少々時間が空くようですが、ほぼすべてのレースに同行するきっかけがあったのでしょうか。
かぐら 2010年の毎日杯で起きた落馬事故以来、なかなか思うような成績を残せない期間が続いたのが大きかったですね。これまでの武豊騎手では考えられない不振ぶりで、ファンとして非常に気を揉んで。
その頃の私は、とある私立学校の英語科専任教員で教務主任を務めていたんですが、スランプに陥る武豊騎手をみて、居ても立っても居られなくなって。「全部のレースについていきたい」と思ったんです。
それで専任教員をやめました。JRAと地方競馬の交流重賞は水曜日におこなわれることが多いので、平日に仕事があると、現地訪問が難しいんですよね。
――ずいぶんあっさりと語られますが、安定した職業を捨てることに抵抗はありませんでしたか。
かぐら 家庭教師や大学で学んだピアノの指導者として働けますし、そこまで悲観的には考えませんでした。
自分の生活のことよりも、「武豊騎手が世界の騎手でNo.1であることを信じて毎週応援に来ている」ことをなんとか表現したい一心でしたね。
それで、2011年にパドックに掲示するための横断幕を作って。以来、15年間国内外の競馬場へ武豊騎手の応援に駆けつけています。
「the world's NO.1 jockey Yutaka Take」の文言は私がそのように信じていること、そしてできれば武豊騎手に、そういうファンがいることを知ってもらえたら嬉しいという気持ちの表れです。初めて横断幕を出したときは、私が作ったとわかるように横断幕の前に立ってアピールをしていました(笑)。
――およそ15年間の武豊さんへの“密着同行”。金銭面の負担も気になります。
