「少なく見積もっても1500万円くらいはかかっていると思います」
かぐら 正確な金額は計算したことがないのでわからないのですが、相当な数の競馬場に毎週足を運びますので、少なく見積もっても1500万円くらいはかかっていると思います。これでも、移動費を安く抑えるために夜行バスを使用するなど工夫はしているんですけどね。
――それだけ頻繁に移動していると、交通トラブルに巻き込まれることもあるでしょうね。
かぐら しょっちゅうあります。台風で新幹線が止まるなんてざらですしね。東京から京都競馬場に行くちょうどよい便がなかったときなどは、昔勤務していた学校の社会科の教員が「北陸に出て京都へ行くルートがある」と教えてくれたりして(笑)。その場その場で頭と人脈を使っては、何とか武豊騎手のもとにたどり着いている感じです。
――これまでもっとも印象に残っている遠征は何でしょうか。
かぐら 2024年秋のブリーダーズカップ(BC)からJBCクラシックへの遠征でしょうか。
日曜日にアメリカ・デルマー競馬場でBCがあって、翌日の月曜日は佐賀でJBCが行われるというスケジュールだったのですが、ロサンゼルスから羽田への深夜便を使えばどちらも行けることがわかっていて、弾丸で遠征したんです。
ところが、武豊さんがアメリカで騎乗予定だったオーサムリザルト号がレース当日の獣医師による歩様検査で急遽出走取消となってしまい、そこからはレースも見る気になれずボーッと過ごすことになりまして。1日が長かったですね。
そして、翌日、佐賀競馬場へ向かうための搭乗ゲートにいたら、豊さんとキーファーズ(注:競走馬のオーナー会社)の代表松島正昭さんが一緒に現れたんです! 本人に直接「おやすみなさい」「おはようございます」と挨拶できて……。
――素の武豊さんに会えたときの感慨はいかがでしたか。

