「コア・サテライト戦略」とは

 代田氏が提唱するポートフォリオ構築の考え方は「コア・サテライト戦略」だ。

代田秀雄氏

「資産形成の中心となる部分は、パッシブ運用のインデックスファンド。パッシブというのは、市場に対してパッシブということ。市場そのものを買うようなタイプのインデックスファンドをコアとして据える」

 その割合は「8割~9割くらいでもいい」と明言する。残りの1~2割を「値上がりしそうな個別株などのアクティブ運用。こちらをサテライトとして置く」。

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コア・サテライトのイメージ図

 コア投資について代田氏は印象的な比喩を用いる。

「結婚相手を探す、とイメージしていただくといいかもしれません。一度そのファンドを買い続けると決めたら、値上がりしても値下がりしても途中で売却、つまり益出しも損切りもしない」

 一方、サテライト投資は「値上がりの局面を狙いに行くということも含め、調子のいいものにフォーカスして買いにいく。どちらかというと、短期投資的なマーケットのタイミングを取る」もので、「遊興費くらいのウェイトで付き合ってみるのがいいバランス」だと説明する。

NISAは「月1」か「年1」か?

 新NISA制度での投資タイミングについて、代田氏は「私自身は『年初一括買い』のタイプです」と明かした。その理由は確率論に基づいている。

「NISA制度そのものが非常にうまくできた制度で、1800万円の枠をどんなにお金持ちでも年間360万円までと決まっているので、使い切るのに5年かかるわけです。そうすると、最低でも5年の時間分散を図るということになる」

 その上で、株式が持つ「プラスの期待リターン」という性質について解説する。

「これは、株式が長期的には値上がりする可能性が高いことを意味します。もちろん下落するリスクもありますが、確率論で言えば、市場に長くいるほどリターンを得られる可能性が高まるのです」

「値上がりを早く捉えるためには、早めに市場に入っておく方が、確率論的には割がいい」というのが一括投資を選ぶ理由だ。

 

 ただし「皆さん大切なお金ですので、年初に一括で投資されて、下落することもあります。積立投資枠と同じように月々買っていくことで、気持ちとしてはストレスが少なく、穏やかに過ごせます」とも付け加える。