「ドッグショーを思い出した」と揶揄されたシーンも
「トランプ氏は、日本が求めれば、米国は支援を申し出ると約束した。これは、他国への援助を大幅に削減してきたトランプ政権の姿勢と相反する考えだ」とニューヨーク・タイムズは述べている。
また、両氏は迎賓館で行われた儀仗隊による栄誉礼の際、大広間の中を一周したが、この時のトランプ氏の様子も米国では注目された。どう動いたらいいのかわからなかったのか、トランプ氏が不穏な動きをしていたからだ。
トランプ氏は高市氏とともに日本と米国の国旗の前に立ち止まって敬礼する手順になっていたのだろう。ところが、トランプ氏が敬礼しようとしなかったので、高市氏はそうさせようと手を差し出して誘導した。だが、トランプ氏は我関せずとばかりにフラフラと前に歩き出してしまった。そのため、高市氏は一人で敬礼せざるを得なかった。
米トークショーの司会者ジミー・キンメル氏はこの様子を見て「ドッグショーを思い出した」と冗談を放っている。ドッグショーでは、犬の調教師(ハンドラー)が指示通りに動かない犬を誘導するが、キンメル氏の目には、高市氏が犬の調教師のように、そしてトランプ氏が犬のように見えたのだろう。
「恋人同士に見える」米SNSでツーショットが大拡散
いずれにしても、トランプ氏が高市氏にコントロールされていることを示唆するような一幕だ。
トランプ氏と高市氏の2ショットも、米国の人々の注目をさらい、SNSで多数シェアされている。特に、高市氏がトランプ氏の腕に手をかけて階段を降りていく写真には「2人はまるで恋人同士に見える」というキャプションがつけられており、「タカイチは、トランプが好きなことがわかっているな」「これで(対日)関税は0%になるな」「ロシアは中国と、アメリカは日本と寝た」などのコメントがあがっている。
この写真について、日本では、高市氏を「ホステスのようだ」とみるコメントもあった。実際、高市氏はトランプ氏をもてなす、米国で言うところのホステス=女性主催者の役割を果たしていたといえる。米軍の前で、トランプ氏を横にした同氏がセレブに遭遇したファンのようにはしゃぎ、手を繋いだことを批判する声もあった。
筆者の脳裏には“Charm Offensive”という言葉が浮かんだ。よく言えば「魅力攻勢」、場合によっては「お色気攻勢」と言ってもいいだろう。政治や外交の場面で、目標を達成するために、意図的にお世辞や自身の魅力を利用することを指す。

