終電後の深夜の路地裏

 店を出ると、ちょうど終電付近の時間であったため、仲町通りや春日通りをぶらついてみることにした。すると、中国人と思われる女性が酔客の腕を組み、路地裏に連れていこうとする姿を何度も見かけた。演技なのか、素なのかはわからないが、少したどたどしい日本語を使い、舌ったらずに勧誘をする姿は確かに魅力的に感じる層もいるのだろう。

 しかし、前記のガールズバー店員によれば、それもまた「あとで値段とかで揉めた時、言った言わないになった時に誤魔化せるようにわざと下手くそに日本語を喋っている場合もあるらしい」とのことで、油断は禁物である。

写真はイメージ ©getty

 筆者はほぼ素面なうえ、いかにも警戒している、という素振りを見せていたからなのか、声をかけられることはなかったが、湯島側の裏路地は、今もなお怪しさが漂っていることは確かだ。

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 さらに歩き続けていると、店の前に女性店員がアオザイ(ベトナムの伝統衣装)を着て呼び込みをしているベトナムバーをいくつか見かけ、ベトナム系も積極的に営業していることを確認。さらに、どこからか出てきた中東系と思われるキャッチに、「ロシア、ルーマニアの女の子どう」「フィリピン安くて面白いよ」と、そこらの繁華街ではもう聞かなくなって久しい誘い文句で誘われたものの、これらも断り取材を終えた。

 一昔前のカオスな繁華街の空気を今なお色濃く残すこの地域。そこに独特の魅力があることは否定しないが、ぼったくりをはじめとしたさまざまな危険に巻き込まれないために、遊ぶ際には安全第一の心構えを持っていただきたい。

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