メイドは個性的な子が多い

――メイドになる人にも個性的な子が多かったですか?

リエ 出会ったことのないような子が多かったです。自分でBLを描いていますという子、コスプレをして撮影会もしていますという子もいました。今みたいにメイドという世界観がまだ完成していなかったので、ご主人様やお嬢様とフランクな感じで接客している子もいました。常連さんのことを呼び捨てにしちゃったりとか(笑)。

――あっとほぉーむカフェ出身でその後にアイドルになる人もいました。

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リエ 後に「SKE48」になった子や、「でんぱ組,inc」になった子も同じ頃に働いてました。2人は私のXがバズった時に声もかけてくれました。他にも海外で活動していたり、いろんな業界であっとほぉーむカフェ出身の子が活躍しています。

©︎平松市聖/文藝春秋

――この20年でメイドになろうとする人のタイプも変わりましたか?

リエ 以前はオタク活動の一環という感じだったと思います。今、お屋敷に入ってくる子はシンプルにあっとほぉーむカフェというお屋敷に憧れてきてくれる子が多いですね。あっとほぉーむカフェのメイドになりたくて上京してくる子もいます。

 それこそアイドルになりたいような感じの子たちが来てくれるので、本当にレベルが高い。アイドルみたいなかわいい子がいっぱい入ってきます。

――あっとほぉーむカフェでは面接を受けられる回数が決まっているそうですね。

リエ 上限4回です。なので「私、3回目の面接でギリギリ入りました」という子もいます。毎月約200人前後の応募があって、その中から採用されるのは10数名です。

 今の子たちはあっとほぉーむカフェのメイドになりたい、さらにお店でお手本になれるような人気、実力のあるメイドがなれる「プレミアムメイド」になりたいであったり、志を持って入ってくる子が多いので、私たちの頃とは気合が違いますね。

©︎平松市聖/文藝春秋
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