東京・秋葉原にある老舗メイドカフェ「あっとほぉーむカフェ」。その店で2005年からメイドとして働き、一時離れたものの約20年、現在もメイドとしてご主人様、お嬢様をお出迎えしているのがメイドのリエさんだ。現在のメイドカフェの様子や、店を訪れる客との心温まるエピソードなどを聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
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00年代からの客層変化「男性中心」から「女の子や学生も集まる場所」に
――リエさんはメイドとしてあっとほぉーむカフェに戻ってきますが、00年代に働いていた頃のメイドカフェとの違いはありましたか。例えば客層とか?
リエさん(以下、リエ) そこは違いました。以前の常連さんはいわゆる何かの「オタク」と言われる方が多かったんですけど、最近のあっとほぉーむカフェは、おひとりさまの女の子やグループ、学生の方でも気軽に遊びに来てくれて、それぞれの楽しみ方をされています。学生服を着ている方だったり、未就学児のお子さんが気軽にこられる場所になっていたのにはすごくびっくりしました。
――リエさん自身も女性のファンの方が多いそうですね。
リエ 9割がお嬢様で、ご主人様は1割いるかどうかという感じです。お嬢様たちから相談をされることも多いです。お友達関係や、子育てについてだったり、パートナーができたら紹介しに来てくれるお嬢様もいます。「私の新しい彼氏、ちょっと見てもらっていいですか?」って。
この間も「リエ様。私、結婚することになったので、相手をお店に連れてくるので見てもらっていいですか?」と言われて。私にとってはお嬢様がすごく大事なので「もしお相手がお嬢様にとってあんまり良くなさそうだなって感じたら言うけどいい?」と聞いたら「いいよ。リエ様の許可をもらいたいから行くので」といって、連れてきてくれました。
お相手の方には「うちのお嬢様のことを大事にしてくださいね。何卒よろしくお願いします」と伝えました。そうしたらお相手の方が、今度は一人であっとほぉーむカフェに来てくださるようになって。お嬢様は推しが同じなのはオッケーらしいです。「彼女が来られないからチェキをもらってくるよう頼まれてきました」とか言って来てくれます。
長くメイドをしているけれど“永遠の17歳”
――夫婦でリエさんのファンなんですね。最初にメイドとして働いている頃のお客さんが、今来られたりもするんですか。
リエ あります。ご結婚されてお子さんが生まれて、そのお子さんが今、あっとほぉーむカフェの常連になってくださっていたりします。なんか感慨深いですよね。人生をすごく見守っているんだなって思います。
――メイドって入れ替わりが激しいイメージを持ちがちですが、長期で在籍しているとそういう物語があるっていうのはいいですね。
リエ 学生さんだった方が就職の時に来てくれて、結婚の時にも報告に来てくれて、子供が産まれてまた来てくれてということもあります。たぶん長くメイドとしているとみんな同じようなことがあるんじゃないかなと思います。でもメイドの年齢は“永遠の17歳”なんです。なので「あれ、なんか私より年上になったね」「追い越したね」みたいなことも結構あります(笑)。

