――ちなみにリエさんはお店で「リエ様」と呼ばれているそうですが、リエさんに会いに来る男性客は年上好きが多い感じですか?
リエ 「リエ様」って別に自称したわけでもないんですが、それが定着しちゃって、お姉様みたいなイメージがあるんですが、実際はそんなキャラではないんですよ。ご主人様の年齢は様々です。ただ共通してるのは「ガツンと叱ってください」みたいなリクエストをされることが多いです。いや、あっとほぉーむカフェはそういうのやってないよ、私にとってあなた方がご主人様・お嬢様だよと断っています(苦笑)。
「メイドは言語の壁も超える」海外から訪れる人も
――秋葉原という土地柄、海外から訪れる方も多いんでしょうか。
リエ 海外の方はたくさん来てくださっていて、リピーターの方もいらっしゃいます。あっとほぉーむカフェにはお屋敷の鍵という、分かりやすくいうと「会員カード」のようなものがあるんですけど、海外の方でそのランク上位になっている方もいます。でも、その方は全然日本語はしゃべれないんです。ただ何回も会いに来てくださっているので、メイドは言語の壁も超えるんだなって感じます。
海外の方には「萌え箸」といって、その国の国旗を貼ったお箸をプレゼントしてるんです。世界中のほとんどの国旗を準備していて、どの国の人が来ても渡せるようになっています。これまで1回も使ったことのない国の方がいらっしゃるとすごく嬉しくなります。
私が接客した方で、新婚旅行で海外から来てくださったお2人がいたんですが、5年ほどたった後にまたお店にいらっしゃったんです。当時、奥様が妊娠されていたので私も覚えていて「前にお会いしたことありますよね?」と聞いたら「あなたに会いに来たの。子供が生まれたの」って、お子さんを紹介していただきました。
親戚の家に来るつもりでお正月だけ「ご帰宅」する方々も
――すごいですね。あっとほぉーむカフェでは、お店を訪れることを「ご帰宅」といいますが、実際に帰宅しているような感じですね。
リエ 本当ですね。よく「親戚の家に来るつもりで、ワンシーズンに2回ぐらいご帰宅してね」と言っています。1年に1回だけご帰宅される方もいらっしゃるんですよ。お盆の時期だけ会える方、お正月の時だけ会える方とか。「来年もいてね」と言われるので、「来年も絶対いるよ」って言ってます。
あっとほぉーむカフェって足しげく通っている方ばかりではなくて、5年ぶり、10年ぶりの方とかもたくさんいらっしゃいます。こんな長期スパンでまた出会えることって他の職業だったらなかなかないんじゃないかなって思います。

