転職した途端にストンと血圧が下がった
【1】「血圧」と「脈拍」を組み合わせる
脈拍とは、心臓が1分間に何回拍動しているかを示す数値です。安静時の脈拍は通常60~80回/分程度ですが、年齢や体調によって異なりますし、個人差もあります。
ただ、血圧と脈拍を組み合わせることで、あなたの血液循環の状態を、かなり詳しく把握することができるのです。
例えば、以下の3つの状況が考えられます。
・血圧が「高く」脈拍も「速い」
運動直後や、軽度の脱水症状に陥っている時などは、当然このような状態になります。ただ、実は、常日頃から循環器に過度な「緊張」や「ストレス」などの負荷がかかっている可能性もあります。
例えば、「仕事や人間関係で強いプレッシャーを感じている」「睡眠不足や過労が続いている」「カフェインを過剰に摂取している」「精神的な不安や緊張状態が続いている」など。これらの状況では、人は「交感神経」が活性化して興奮状態になるので、血圧が高くなり、脈拍も速くなるのです。
私の患者さんの中にも血圧が高く、脈拍も速い方がいて、降圧薬を服用していました。休日は血圧が安定しているのですが、平日は血圧が高くなる傾向にあり、脈拍もやや速めで推移していました。色々と話を聞いてみると、どうやら仕事のストレスを多く抱えており、睡眠不足になりがちで、休日に寝だめを繰り返していたようです。
その後、転職されたそうですが、それを機に、まるで嘘のように血圧がストンと下がって、降圧薬もほとんど服用する必要がなくなりました。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症を患っているなど、もちろん病気が原因になっていることもありますが、この患者さんのように精神的な理由から血圧が高く、脈拍も速くなっているケースがあるのです。
