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──何かおかしい、と気づいてくれたのですね。
川口 でも、私はその助けを断りました。言葉をかけられたのはうれしかったんです。でも警官と一緒に帰ったら、その人が家から去ったあと、私は姉や母からどんなひどい制裁を受けるか……。それはものすごい恐怖でした。他人は一瞬は助けてくれても、私がこの家と家族から離れられるわけじゃない。そう思うと、助けの手はつかめませんでした。
「もう死んでやる!」「じゃあ死ねば」
──それでどうしたのでしょう。
川口 覚悟して家に入ると、半狂乱になった姉が包丁を自分自身に向け「もう死んでやる!」と叫び私を脅してきました。それを見たら、さっきまで悩んでいたことも全てどうでもよくなって、私も「じゃあ死ねば」と叫びました。そこから取っ組み合いのケンカです。お互いの服がビリビリに破れるまで殴り合って、その後どうしたかよく覚えていません。
でも、これを機に「早くこの家を出よう」と覚悟を決めました。そして20歳のとき、付き合っていたバイト先の男性からプロポーズを受け、結婚することに。「やっと姉と母から解放されて幸せになれる」と思ったんです。でも、現実はまったくの逆でした。
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