YouTubeチャンネル「昆虫ハウス101号室」を運営し、自宅で数百匹の虫と暮らす蜂丸さん(38)。自宅の壁面にはずらりと飼育ケースが並び、世界最大とされるムカデやクモ、さらに数百匹のゴキブリとひとつ屋根の下で暮らす。

 飼育した虫の一部を販売しており、1匹で数万円になる個体もあるという。知られざる虫ビジネスの裏側や、大量の虫を飼う上でかかる費用などを聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)

©細田忠/文藝春秋

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虫の販売イベントで1日最大20万円の収益

――繁殖した虫の販売もされているそうですね。実際、稼げるんですか?

蜂丸さん(以下、蜂丸) 1年ほど前に本格的に販売をはじめてから、ようやく生活のためのアルバイトをしなくても済むようになりました。今の主な収入源は、YouTube関連の収益と昆虫販売が半々くらいです。

 販売は主にイベントで行っています。利益だけを目的にやる人もいますが、飼育費用を補うために販売する人が多いですね。繁殖して個体数が増えると飼育の手間と費用も増えるので、増えすぎた分を販売して、うまくサイクルを回している感じです。

――販売イベントでの1日の最大の収益は?

蜂丸 20万円ほどです。例えば「ホワイトビアード」というムカデは、親が2万円、子どもが1万5000円くらい。それが10匹ほど売れました。虫は単価がそこまで高いわけではないので、たくさん売ることがポイントになります。

1匹10万円ほどで取引されるというヨロイオオムカデ ©細田忠/文藝春秋

――より高額な虫は、どのくらいの値段になるんですか?

蜂丸 「ヨロイオオムカデ」という、ヤスデに擬態しているとされているムカデは、人を噛まない希少性もあって1匹10万円ほどします。あとは「モンテネグロダンゴムシ」が5匹で20万円くらい。ダンゴムシやカマキリといった馴染みのある虫でも、モノによっては高額なんです。

――蜂丸さんの家にいる虫を全部売ったら、どれくらいの金額になりますか?

蜂丸 だいたい70万円くらいになると思います。