数百匹の虫、1カ月の維持費はどれくらいかかる?

――これだけの虫を飼育していて、月の維持費はどれくらいかかるんですか?

蜂丸 うちはかなり安いほうで、月3000円くらいですね。餌用の虫も自分で繁殖させているので、費用をだいぶ抑えられています。温度管理のために空調をつけっぱなしにしているので、その分電気代がかかるくらいです。

 腐葉土など、土を使って飼育する場合は、使い終わった土が産業廃棄物扱いになることがあって、処分費が1袋で2000円前後かかることもあります。うちには土を使う虫がそんなに多くないので、そこまで負担は大きくないですね。

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――費用以外だと、餌やりなどのメンテナンスはどうしているんですか。

蜂丸 メンテナンスは週1回でまとめてやっていますが、だいたい6~7時間かかります。やることは主に、餌やりと、虫によっては霧吹きで水をかけて湿度を保つ作業です。僕は全部の作業を1日で終わらせるスタイルですが、毎日ちょっとずつ世話する人もいるようです。

 一部には個別で細かいケアが必要な虫もいて「カギムシ」は通気性が悪いとすぐ弱ってしまうので、ケースは全部開けっぱなし。でも乾燥も苦手なので、2日に1回は霧吹きが必要です。触ると粘液を飛ばしてくるんですが、その回数が一生で決まっているという説もあって、長生きしてもらうためになるべく触れないように注意しています。

低温でないと生きられない虫を迎え入れるために、ワインセラーも導入した ©細田忠/文藝春秋

――飼育していて想定外のことが起きることもありますか?

蜂丸 3万円くらいのカマキリが、餌用のゴキブリに食べられたときは本当にショックでした。カマキリが負けるはずがないと思っていたら、ゴキブリのほうが意外と強くて……。ほかにも「血が繋がっていれば絶対に襲わない」と言われているクモを多頭飼育していたら、餌が足りなかったせいか喧嘩して共食いしてしまったこともありました。

――今後飼育してみたい昆虫は?

蜂丸 「マレーシアンジュエルセンチピード」っていう、世界一美しいと言われるムカデにすごく惹かれています。低温種なので涼しい環境じゃないと生きられなくて、迎えるためにワインセラーをばっちり用意してます。見た目がキレイな虫は繊細な子が多いので、じっくり向き合って飼育できるのをすごく楽しみにしています。

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