「義父と妻が愛し合う姿」を覗き見して⋯

 1972年1月29日、フレッドとローズは正式に結婚する。この時点でキャサリンが殺されたことは判明しておらず、籍も抜いていなかったため重婚に該当するが、なぜか婚姻届は受理された。ちなみに、結婚式に参列したのはフレデリックの弟ジョンだけだったそうだ。

 数ヶ月後、ローズとの第二子である次女のメイ・ジューンが誕生したことで、夫婦はグロスターのクロムウェル・ストリート25番地の二軒長屋に移り住む。後に「恐怖の館」と呼ばれることになる3階建ての家屋である。1階に家族が住み、2階と3階を下宿人に貸した。ここにはキャサリンとの間に生まれた当時8歳のアン・マリーも同居していたが、フレデリックは実の娘である彼女を犯し続け、ローズもこれに積極的に手を貸した。7年後の1979年、15歳のときにアン・マリーはフレデリックの子供を妊娠。子宮外妊娠だったため出産には到らず、16歳で家を出て、1984年に別の男性と結婚した。

 ウェスト夫妻の住まいが他と圧倒的に変わっていたのは、家の地下室をローズの売春専用に使っていた点である。彼女に売春を勧めたのはもちろんフレデリックで、セックス依存症のローズは喜んでこの提案を受け入れた。客の評判は上々だった。豊満な乳房、抜群のテクニック。男たちは45分10ポンドの金を惜しみなく払い、ローズとのセックスを堪能した。フレデリックはキャサリンのときと同様、壁に穴を開け、客と行為に及ぶ妻を覗き見て興奮した。

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 ローズは黒人男性客が好みで、後に彼らとの間にできた3人の子供を出産、フレデリックとも、さらに1人の娘と2人の息子を授かり、計8人の子供の母親となっている。ちなみに、ローズの父ビルは1977年になって初めて2人の結婚を許可したが、これは娘とのセックスを再開するためだった。時々家を訪れてはローズと行為に及ぶ父娘の姿をフレデリックが覗き見したのは言うまでもない。