歪んだ夫婦生活
ローズは1953年、イングランド・デヴォン北部のノーザムの貧しい家庭に、7人兄弟の5番目として生まれた。父親のビルは稼ぎもないくせに威張り散らす男で、逆らおうものなら問答無用で妻子を殴り、鞭でしばいた。
ところが、ローズと長姉のパトリシアは暴力を振るわれなかった。父と近親相姦の関係にあったからだ。ローズはむしろ自分から積極的に体を提供した。DVから逃れるためではない。セックスそのものが好きだったのだ。
これは、母デイジー(フレデリックの母と同名)がうつ病を患っており、ローズを出産する前後に受けた電気けいれん療法を受けたことが、娘をセックス依存にする障害をもたらしたのではないかと言われている。
12歳のころ両親が別居し、当初は母親と暮らしていたものの、後に父親と生活を共にし関係を続ける。一方、13歳のときには当時9歳の弟グラハムの前をわざと裸で歩いたりベッドに忍び込むなどして誘惑、末弟のゴードンにも自分の乳房や性器を触らせていた。
以降、売春容疑で補導されること数回。フレデリックと出会ったころはパン屋で働いていたが、男女の関係になってまもなく仕事を辞め、フレデリックの子供であるシャーメインとアンのベビーシッターとして彼の家に出入りするようになる。
数ヶ月後、彼女は両親にフレデリックを紹介した。母は彼の傲慢な態度を露骨に嫌がり、父は自分とも肉体関係のある娘の恋人を激しくなじった。しかし、両親の反対も聞き入れず、ローズはフレデリックとの関係を続ける。互いに親から性的虐待を受けていたこともさることながら、とにかくセックスの相性が抜群だった。ローズはアナルセックスや緊縛、乱交、道具を使ったプレイなど、どんな変態行為でも喜んで受け入れる好き者。フレデリックはそんな彼女と快楽の限りを尽くした。
そして1970年10月、2人の最初の子供である娘ヘザー・アンが誕生。これはローズの両親が自分と会わせないよう裁判所命令を取りつけようとしているのを知り、それを阻止するため意図的にフレデリックがローズを妊娠させた結果だった。
その後、ローズは実家を出て、グロスターのミッドランド・ロードにあるアパートでフレデリック親子と暮らし始める。が、2ヶ月も経たないうちにフレデリックが車の盗難と詐欺の容疑で逮捕、投獄されてしまう。