1980年代、日本ホビー史上に残る一大ブームを起こした「ビックリマンチョコ」。
僕らのお目当てはそのおまけシールだった。しかしあまりのヒットに売り切れ続出で、やっと買えても「1人3個まで」の制限さえあった。こづかいのすべてを費やし、プリズム加工などが施された憧れの「ヘッド」を当てようと奮闘するも、ハズレ扱いの「悪魔」が出たときは意気消沈……。
「ロッチ」を覚えていますか?
そんな僕らには敵がいた。「ロッチ」だ。ビックリマンシールそっくりの外見で、カプセルトイの中に5枚ほど入って売られていた。「ビックリマンだ!」と買ってみて、「ロッテ」のロゴをよく見ると、「ロッチ」となっている。そう、ニセモノだった。あのころ僕らの多くはこの「ロッチ」の罠に引っかかってしまったのだ。
こどもたちをだましにだまして「ロッチ」の発行枚数は1,000万枚にのぼったが、本家ロッテに起こされた訴訟などがダメージとなり発売元のコスモスは解散。ロッチ騒動は幕を閉じた。
しかし当時はロッチ以外にも、数々のパチシールがこっそり発売されており「ニセモノ」とさげすまれていた。しかしそのパチシールがいま、高値で取引されているという。まんだらけ中野本店カード館の責任者である田嶋宏一郎さん、まんだらけ広報部鍋島一機さんにお話をうかがった。
コピー系よりも「下手絵」が人気!?
田嶋 パチシールには、コピー系と創作系があります。コピー系はトレース、もしくはカラーコピーに近いようなもの。あの「ロッチ」はコピー系で。値段は400~500円ほどとそれほど高くは無くて、1,500円ぐらいが上限です。
ただ、そのままコピーしたものでは無く、手で描いたものは人気がありますよ。コピーじゃないパチシールのなかで、ちょっと絵が上手なものは「手書き」、あまりにもアレなものは「下手絵」と言います。
田嶋 この「野聖エルサM」、よく見ると面白いんですよ。
――完全に逆転現象ですね。