30年で絶対に変えなかったこと

 発売から30年を経て、じゃがりこは味のバリエーションを増やし、パッケージを改良するなど、アップデートを続けてきた。一方で変わらないのが「美味しい」「食感がいい」「手が汚れにくい」という3つのブランドの価値だ。

 例えば梅味を試作した際、じゃがいもに梅を練り込んで揚げると、酸味が飛んでしまうため、担当者から「スティックに梅味のパウダーをかけたい」と提案された。しかし、山崎さんは消費者の手が汚れるからと許可しなかった。そのため、当初は「ほんのり梅味」という商品名で売り出していた。

 その後、開発担当者が改良を重ねてパウダーなしでも梅味らしい酸味を実現することに成功したことから「梅味」に変わっており、山崎さんは「制約があることが技術の革新につながる」と話す。

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 開発当初は「こんなに固い商品は売れない」と酷評されたじゃがりこだが、結果として開発者の諦めない姿勢と、制約の中で技術を極めんとする哲学が、30年愛され続けるブランドを作り上げてきた。近年は海外での販売にも注力しており、日本のせんべいのように固い食感のスナックとして受け入れられていくのか、注目だ。

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