ブーイングを受け続けたときが一番の転機
博士 さて、今日のテーマはじつは「プロレスから教わった知恵」でしたっけ。そういう意味だと、ぼくが棚橋さんと初めて会った2012年かな。たまたま帰省していた岡山駅の新幹線の乗車口で突然金髪の大男にあいさつされたんですよ。
棚橋 僕はすぐ、水道橋博士さんだとわかったので。
博士 「初めまして、新日本プロレスの棚橋弘至です」って、あいさつがあまりにも印象的で、それ以来、「あいさつは身を守る鎧」という言葉を広め、使うたびに棚橋選手を思い出しています。年下のプロレスラー、棚橋選手からの学びです。
ユリオカ いい言葉ですね。棚橋選手がプロレスから学んだことは?
棚橋 ブーイングを受けていた時期がやっぱり一番の転機でした。そこで、なんでブーイングされてるんだろうとは思わずに、ブーイングを一回受け止めて、次にどうするかと考えるということをしてみました。逃げずに物事を正面から受け止めて、次の課題を見つけるというハウツー、日常生活にも応用できる受け身のようなものを学びました。
プロレスとは「人生の力比べ」である
博士 そしてユリオカ超特Qは?
ユリオカ プロレスは自分の年齢によって、同年代のレスラーに重ね合わせて見られるのがいいところだと思うんです。
博士 そうそう。人生の力比べだからね。
ユリオカ プロレスラーって他のアスリートよりも選手生命がものすごく長くて、上の世代も頑張っているから、まだまだ教わることがある。棚橋選手も40を過ぎてまた味が出てきた。チャラチャラした40代ってちょっとかっこよくて、年齢を重ねても別に老け込む必要はないんだなって感じてます。プロレスは長くいろんなタイプの人生を見せてくれるところがすごくいいと思います。
博士 では棚橋選手、最後にひと言。
棚橋 原点を振り返ったことで、もう一回、頂点へという気持ちを取り戻しました! みなさん、ありがとうございました!
(構成/皆川秀)
(前編はこちら)