高市早苗首相(64)が代表を務める政党支部や資金管理団体から2024年、天理教系の企業に対して、総額約5000万円が支出されていたことが、「週刊文春」の取材で分かった。

高市首相 ©時事通信社

昨年1年間で「天理時報社」に対して10件以上を支出

 政治資金収支報告書によると、高市首相の資金管理団体「新時代政策研究会」は24年4月25日、株式会社天理時報社(奈良県天理市)に「データ入力作業費」名目で約1812万円を支出。同年9月24日にも「封筒・会報印刷及び封入費」として約1997万円を支払った。

高市首相の資金管理団体「新時代政策研究会」の収支報告書より

 これらをはじめ、高市首相が代表を務める「自由民主党奈良県第二選挙区支部」も含めた2団体から昨年1年間で「天理時報社」に対して10件以上を支出していた。地元政界関係者が話す。

ADVERTISEMENT

「天理時報社は、天理教の機関紙『天理時報』の印刷などを手掛ける天理教系企業です。協会本部は高市首相の選挙区奈良2区にあります。同社は一般の印刷等も受け付けているようです」

天理教の機関紙『天理時報』

 政治とカネに詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が指摘する。

「データ入力をお願いするということは、高市氏側は党員名簿などの個人情報を天理時報社に提供しているのでは。一定程度、親密な関係であることが窺える。総理になった今、天理教側からすれば、高市氏が関連企業を通じて後ろ盾になってくれることを期待するでしょう。政治資金の巨額の支出は、特定の宗教法人との近さへの疑念を招きかねません」