「『今季限りでの引退』が勧告されていたと聞きます」

「じつは契約更改に先立ってシーズン中に行われた下交渉では、栗山と中村に『今季限りでの引退』が勧告されていたと聞きます。当然、功労者なので引退試合の提案もあったそうです。

 ただ、栗山が首を縦に振らず、来季1年限りでの現役続行を希望し、中村も同調したそう。つまり、中村の来季引退も織り込み済みなのです。その後、栗山だけは来季限りでの引退を表明した形です」(同前)

栗山の“引退興行”を素直に喜べない事情

 チーム屈指の人気選手でもある栗山の“引退興行”は、球団側にも営業メリットがあると見られるが、素直に喜べない事情も。

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「来季引退を明言した以上、栗山はそれなりに試合に出さないといけない。さらに問題なのは、FAの人的補償の際のプロテクトリストです」(球団関係者)

栗山巧 ©文藝春秋

 西武は今季、DeNAから桑原将志外野手、日本ハムから石井一成内野手をFAで獲得。石井は人的補償なく獲得できるCランクだが、Bランクの桑原は人的補償か金銭補償が必要だ。

「栗山と中村は戦力として計算できなくても、西武で引退させる以上、28人のプロテクトリストに載せざるを得ない。さらには、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す今井達也投手と髙橋光成投手も、獲得されると移籍金がそのまま奪われるので保護しなければならない。

 来季の戦力として計算していない4人に枠を割くのはなかなか大変な話。編成関係者は頭を悩ませていました」(同前)

 暗黒期から抜け出せない西武。2人のレジェンドは花道を飾れるか。

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