「池田先生はこんなことを言っていない」学会内で巻き起こる“論争”、自民との連立離脱…創価学会と公明党が迎えた“正念場”
「自己否定を強いてくるもの」としての批判
先に、日蓮正宗とは「日蓮宗の一派」だと書いたが、実はその教義体系はかなり独特で、一般的な日蓮系各派とはむしろ対立する部分が多い。よって創価学会がその「日蓮正宗的な教義」を改正すると、かつて自分たちが否定していた「一般的な日蓮系各派」に、むしろ近付いてしまうような部分が出てくる。ここで詳しい宗教的な解説を書くことは避けるが、『教学要綱』は現在、一部の創価学会員にとって「自己否定を強いてくるもの」のように受け取られている事実があって、ネット上などで延々と、「この『教学要綱』をどう考えるべきか」といった議論が行われているのだ。
そして1928年生まれの池田大作は、最終的に決裂したとはいえ、その生涯の大半を「日蓮正宗の下部団体の人間」として生きた。かつ、実は生前の池田には、日蓮正宗の教義それ自体を大きく否定するような言動がない。よって、『教学要綱』を批判する一部学会員たちは現在、異口同音にこう叫ぶのである。「池田先生は、こんなことを言っていない」と。
「学会員以外にも支持される党」への転換
問題は"宗教面"のみにとどまらない。それが表出したのが2025年7月の参院選で、創価学会を支持母体とする公明党は6議席減の結果となり、かつては800万票といわれた比例票も521万にとどまった。歴史的大敗である。
この原因はよく言われているように、創価学会組織の高齢化である。池田と直接触れ合ったような経験を持つ世代の、熱心な創価学会員が次々と後期高齢者となり、また鬼籍に入っていくなどして、組織の活力が失われているのである。
公明党議員は従来、選挙に出れば創価学会が全力で応援してくれるので、例えば個人後援会をつくるようなことをあまりしてこなかった。しかし創価学会・公明党上層部は現在、議員たちに「自らで活動して自前の支持基盤をつくれ」といったことを強く求めている。また党上層部として、「創価学会員以外にも支持される党」への転換を目指し、広報戦略の大きな見直しなどを始めてもいる。



