それは、自分を好きになり、愛する気持ちを育みます。
私の場合、つらい経験が続いた頃から、意図的に自分を褒めるようになりました。私は強い人間ではないので、つらいときには誰かに励ましてほしいと思ってしまいます。けれど、他者が自分の人生に深く踏み込んで言葉をかけてくれることは、そうそうありません。
ならば、自分で自分を褒めてしまえば気分が楽になるかもしれない。そう自然に気づいたのだと思います。思いっきり自分を大切にすること。それが、私の心を守ってくれました。
頑張ったときに労うだけでなく、嫌なことやどうしようもないことに直面した時には、自分に「大丈夫だよ、絶対なんとかなるからね」と声をかけるようにしています。人と比べて劣っていると感じることがあっても、「これはできないけど、あれは誰よりも上手にできるからいいじゃないか」と思い直すこともあります。そうすることで、深く落ち込まずに済んで、自己肯定感を保ちながら歩んでこられたように思います。
円安は中小企業の社長がどうこうできる問題ではない
2018年8月に社長に就任して以来、業績は右肩上がりで伸びていきました。2年後には兼任していたSVをやめ、社長に専念するようになりました。会社の経営について、より大局的に考える必要があると思い、自分で専念することに決めました。
2020年初めから2023年半ばまで続いたコロナ禍でも業績は順調に伸びていきました。コロナ禍は未曽有の危機でしたが、語弊を恐れずに言えば、レベルの差はあれど、大変なことはいつの時代も常に起きています。感染症はコロナに限らず古くから私たちの健康を脅かし続けています。
しかし事態が収束すると、人々は知恵を絞って困難から立ち直り、落ち着いた日常を取り戻していきました。
近年では円安が加速し、「様々なコストが上がって大変でしょう」とよく聞かれます。確かに、肉類や魚介類、小麦粉などの輸入価格が上がって、採算を合わせるのに苦労しているのは事実です。