「証拠の90%を喪失」杜撰な地元警察

 CBIが最初に追及したのは地元警察の杜撰な捜査である。警察が事件後に開いた記者会見で何度も被害者アルシの名前を間違えたことが、彼らの捜査に対する無責任な姿勢を表していると非難。

 そのうえで、事件発覚当初、現場の立ち入りを制限しなかったことにより証拠の90%を喪失したこと。両親の部屋は確かに娘の隣だったが、壊れたエアコンが騒音を発しドアの閉まった状態ではほとんど何も聞こえないこと。ラジェッシュが事件前夜と当夜に同じ洋服を着ており、そこに血痕が付いていなかったこと。アルシの部屋から見つかった25個の指紋は杜撰な方法で採取されており裁判で使えるのは2つだけだが、それも夫婦の指紋ではなかったこと。

 夫婦に嘘発見器によるポリグラフテストを実施したところ結果がシロだったことなど明らかにし、彼らが犯人であるとする警察の見立てを否定した。

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 CBIは、事件の夜、被害者ヘムラッジの部屋に彼の友人であるネパール出身のクリシュマ、ビジャイ、ラジュクマールの3人が訪れていたことを突き止め、彼らが犯行に関与したのではないかと疑った。そこで、3人を嘘発見器にかけた後、麻酔薬を使って無意識下の状態で証言を引き出す「ナルコアナリシステスト」を実施。結果、3人は驚くべきことを話し出す。