3人が犯人かと思いきや⋯

 事件当日の深夜12時ごろ、ヘムラッジの部屋で酒を飲み酩酊、勢いのままアルシの部屋に侵入し乱暴を働こうとしたものの、ヘムラッジに止められ、さらにアルシが騒ぎ出したため、ネパールの伝統ナイフであるククリで刺殺。

写真はイメージ ©getty

 それを見て両親に知らせようとしたヘムラッジを屋上に連れて行き刺し殺したのだという。彼らのうち実際に誰が2人を殺害したのかは証言が異なったものの、話はおおよそ一致していた。

 しかし、家のどこを調べても3人のDNAや指紋は見つからず、凶器と推定したククリをクリシュマの家から押収したものの被害者の血液やDNAは検出されない。果たして、3人は証拠不十分で不起訴処分となった。

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 事件から約1年半後の2009年9月、CBIは新たな捜査チームを発足。あろうことか、再びアルシの両親が捜査のターゲットとなる。新たな証拠は見つけられなかったものの、事件当夜に外部の人間がアルシの部屋に侵入した形跡がないことからタルワル夫婦だけが犯行が可能な立場にあったとし、凶器は夫婦の寝室に置いてあったゴルフクラブと断定した。そこから被害者のDNAが検出されなかったにもかかわらずだ。