進学でいじめから解放、エキストラ出演で目撃した美しい女優

――褒めることって大事ですね。高校ではいじめから解放されたんでしょうか?

手島 違う県の、誰も私のことを知らないであろう高校に行きました。「ごきげんよう」と挨拶するお嬢様学校で普通科と特進コースに分かれていて、私は特進コースでした。周りはみんないい子で、当時いろいろな芸能事務所のオーディションを受けていたことが、バレても何もバカにされることもなくて。イジメもなくなって「私って、生きていていいんだ」となりました。

©︎鈴木七絵/文藝春秋

――それは救いですね。芸能事務所は何社ぐらい受けたんですか?

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手島 30社は超えてると思います。ただ軒並み落ちました(苦笑)。

――高校時代は芸能活動は何かしていたんですか。

手島 エキストラをやっていました。生徒A、生徒Bとかですらなく、学園ドラマの朝礼に出ている何百人の中の一人だったり、後ろ姿だけだったり。一度、エキストラとして参加したドラマで松雪泰子さんを見る機会があって、光輝いていました。「これが芸能人だ! 私もあそこに行きたい」とその時から意識が変わりましたね。

――そこで「あんな綺麗な人がいる世界だから私は無理だ」とはならない?

手島 ならないです。磨けば私でもいけると思ってました。親にめちゃくちゃ過剰に褒められて育っているから(笑)。

原宿竹下通りでスカウトされ「いつみても波瀾万丈」再現に出演

――ちなみに俳優志望ということですが、演技はできたんですか?

手島 私、演技は結構できたんですよ。所属していた劇団でも演技は褒められてたんですけど、出すとこがないんで(笑)。

――手島さんは高校卒業後、18歳で短大に進学するため上京します。そこでついに芸能事務所に入られたそうですね。

手島 原宿の竹下通りでスカウトされました。スカウトされるために、上京してからはずっと行っていたんですが、誰からも声をかけられなくて。「見る目ねえな」とか言ってました。

©︎鈴木七絵/文藝春秋

 そんな中で、唯一声をかけてきてくれた個人事務所に入りました。ただそこでも仕事はエキストラが中心でしたね。日本テレビで放送されていた「いつみても波瀾万丈」の再現VTRにも出ました。主役の女優さんをいじめる役だったんですが、ルンルンでしたね。顔が割とキツめなので、それで受かったみたいで。「女優デビューだ!」みたいな。