いざ品川駅から出発

 東海道新幹線とJRの在来線、そして京急線が乗り入れる東京の南の玄関口・品川。その西側、高輪口を出る。

 

 駅前では工事の真っ最中で、国道15号、第一京浜を渡った先にあるのは品川プリンスホテルだ。すぐ近くにもグランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、ザ・プリンスさくらタワー東京と、プリンスホテル群がひしめいている。

 かつての都電1系統は、品川駅とプリンスホテル群に挟まれた第一京浜に品川駅前停留場を構えていた。その場所は品川駅から少し南に下ったあたりだ。

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日本最古のプリンスホテルが目の前に

 開業したのは1903年。東京では最初の路面電車、東京電車鉄道のターミナルである。

 ちなみにその当時、もちろんまだプリンスホテルは存在しなかった。品川駅前にあったのは竹田宮や毛利公爵の御邸宅。その跡地を戦後再開発して生まれたのがプリンスホテル群というわけだ。

 

 プリンスホテルで最も古いのは1953年に開業したグランドプリンスホテル高輪だ。当時は品川プリンスホテルと名乗っていた。

 品川駅前停留場のひとつ先、高輪北町停留場はちょうどプリンスホテルの入口の目の前だ。残る他のプリンスホテルは、いずれも都電が廃止された後の開業である。

第一京浜沿いに北へ

 プリンスホテルの前を通って、都電1系統は第一京浜を北へゆく。赤穂浪士の墓所があることでも知られる泉岳寺。その目の前の泉岳寺交差点付近には、その名の通り泉岳寺前停留場があった。いまでももちろん泉岳寺は健在だ。

 そして第一京浜の東側には高輪ゲートウェイ駅とそれに付随するゲートウェイシティの巨大なビルが聳え立つ。

 
 

 少し先には江戸の入口に設けられた高輪大木戸の跡。高輪ゲートウェイ、東京の入口なのである。