しかし時折、意味深な言葉が入り込む。

「真面目な話、実際、私は人を殺して初めて基本的な人権を認めてもらったのです。これが救済といわずして何を救済と? 私はいままでの人生で、拘置所が一番『幸福な生活』をしていることは間違いないのです」(2019年2月21日)

 このように何か本質的なことを書き始めたかと思えば、刑務所生活における夢を語りだす。

「私は人を殺して、心底よかったと思う。無期刑囚として模範囚になりたい。優遇区分においては、第一類に、制限区分においては、第一種に、労務作業においては、第一等工に、『なりたいな、ならなくちゃ、絶対になってやる』人間、誰でも望めば、罪を犯さなくても、刑務所に入れるようにするべきだ。『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』『国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』のだから、『働ける能力を有しながら、特定の住居を持たず、浮浪する者』には、略式に応じない、と言い張り、罰金を納めないということで、労役として、刑務所に入る権利があります」(2019年2月21日)

 文中の引用は、『めざせポケモンマスター』の歌詞、『日本国憲法 第二十五条』と、軽犯罪法第一条四号「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」、が元だろう。

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 まるで、一般社会よりも刑務所のほうが基本的人権が認められていると言わんばかりだ。そして明らかに、刑務所を福祉施設のつもりで捉えている。

一向に見えてこない動機

 しかし、小島は金銭的に困っていたわけではないようだ。事件の約1年半前である2016年11月頃、母方の祖母から、家督を継げば祖父の遺産である3000万円を相続させると言われたらしい。

「この三千万円は、祖父が死んだときの母の相続分であるけれども、その三千万円をすべて私の精神を治療するために使用して、診療報酬の関係で三カ月ごとに退院させられたとしても、また別の病院を探して、入院できるようにすることが、本当に実行されていたとしたら、確かに三千万円で私は今でも入院しているはずです」(2019年2月21日)

 この三千万円相続の話は、のちのちややこしい話へと繫がっていくのだが、私はこのときさして意味を感じていなかった。それよりもっと根本的な問題、刑務所に入りたいのはなぜなのかを知りたい。

「優先順位は、刑務所、精神病院、餓死であって、刑務所なら一〇〇%私の要求通りなのです。精神病院は刑務所の代償行為に過ぎません。だから、あとは『生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ』なのです。ですが、このような問題はどうしても、引き延ばして、後に後に、となってしまうもの。刑事も、検察も、弁護士も、『でも死ぬという選択肢もあったでしょう』といいますが、あとは死ぬという選択肢しかないなら、刑務所に入ったってよろしいではありませんか」(2019年2月21日)