「初めての日が紙ゴミでよかったですね」

「今日は紙の日です」

 サトウさんがハンドルを握りながら言った。

「担当地域をまわって、住人が外に出した雑誌やチラシ類を集めていきます。ただし、紙とはいえ、新聞と牛乳パックは取ったらダメ。別の日に別の会社がやるので。それから、さっき朝礼で聞いたと思うけれど、清掃車は左側の後ろが見えづらいから、左折のときは必ず前後の歩行者を確認してこっちに教えてください。OKと言われてから左折します」

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「はい!」

「この仕事は初めてですか?」

「はい」

「初めての日が紙でよかったですね。紙は重いけれど、生ゴミのような強いにおいはありませんから」

「生ゴミは厳しいですか?」

「厳しい。臭い。ネズミとか害虫とか出てくるしね。先週もでかいネズミが出てきました。あまりにも大きいから、ネコかと思いましたよ。いまは6月だからまだマシだけど、7月に入ると、ウジもわいてきます」

 そんな会話を交わしながら市街地へ向かった。

次の記事に続く 「どこで買うのか」「捨てた人に聞いてみたい」ゴミ収集員の男性(63)が『高級住宅街』で目にした“不思議すぎるゴミ”とは?

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