「バカ! 何やってんだ!」危うく命の危機に

 ゴミの多く出る繁華街は同業他社の清掃車が多い。路肩に何台も縦列駐車する。収集したゴミを間違えてほかの会社の清掃車の圧接機に放り入れてしまった。

「バカ! バカ! 何やってんだ!」

 サトウさんに怒鳴られて、あわててゴミを引き上げた。しかし、この行為はとても危険だ。ゴミを清掃車の中へ引き込む回転扉に手が巻き込まれて大けがを負う事故が多い。

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「バカ! バカ! バカ! 手を入れるな!」

 サトウさんがさらに怒鳴りながら走ってきて、その清掃車の作業員に2人で頭を下げた。

 実際2025年11月、神奈川県横浜市の商業施設でゴミ収集作業をしていた60代の男性が、圧接機に挟まって命を落としている。

 ゴミ収集作業を3時間ほど行い2トン車のコンテナが満杯になると、“捨て場”と呼ぶ公共のゴミ処理施設に処分しに行く。コンテナ内がいっぱいになったかどうかはドライバーさんの勘任せ。サトウさんが車体をグーで叩く。音の響きでコンテナの中のつまり具合がわかるそうだ。ベテランには運転技術だけでなく、勘のよさも求められる。

ゴミ収集車に手を入れる行為はとても危険だ ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

高級住宅街には「不思議すぎるゴミ」も

 捨て場ではゴミの重量を測り、コンテナを空にして、午後の担当地域へ向かった。午後はターミナル駅から少し離れた“やや高級住宅街”だ。戸建てが多い。1世帯ずつゴミを収集していくので、ビルや集合住宅の多い駅周辺よりも手間がかかる。頻繁に清掃車を乗り降りしなくてはならない。

 ゴミを出している家も出していない家もある。不思議なもので、ゴミが置かれていないと寂しい気持ちになる。せっかくまわっているので、収集したい。

 この地域の傾向なのだろうか、この日に限ったことなのだろうか、エロ本が多く捨てられていた。たいがいは紙袋に入れられて封がされている。ところが、この日はときどき雨が落ちてきた。濡れた袋が破けてばらける。すると中は大量のエロ本、というケースが多かった。

 どこで買うのか、緊縛系をはじめえげつない雑誌が目立つ。ネットが普及し、女性の動く裸をいくらでも見られる現代、あえてエロ本を買うマインドとはどんななのだろう。捨てた人に聞いてみたい。

次の記事に続く 「ベッドの上でバイブが…」60歳を過ぎて“ラブホテル清掃”の仕事を始めた男性が見た『衝撃の光景』

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