2011年の北極圏で起きた「ホッキョクグマ」による襲撃事件。就寝中のテントを破られ、17歳学生は死亡、18歳学生も頭を噛まれ「頭蓋骨が割れる音」を聞いたという。なぜ彼は死を免れたのか。極限状況の一夜を、宝島社ムック『アーバン熊の脅威』よりお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
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本当は怖い「ホッキョクグマ」
北極圏にあるノルウェー領スヴァールバル諸島には、約3000頭のホッキョクグマが生息している。熊は観光資源のひとつとして手厚い保護を受けており、人間のほうが常に威嚇道具を持ち歩くなどの安全対策を求められているという。
なおホッキョクグマはヒグマと祖先を同じくするきわめて近い種で、体格に勝るホッキョクグマのほうが危険度は高いとされている。
2011年夏、イギリス人キャンプ隊の13人は探検・研究活動の一環としてスヴァールバル諸島最大の有人島であるスピッツベルゲン島を訪れた。氷河の近くにテントを張ってキャンプインしたところ、その夜、いきなりホッキョクグマの襲撃を受けてしまう。
テントを破って現れた熊は体長2メートル超、体重250キロ超で、この種としては中型の個体だったが、就寝中を襲われた17歳の学生はなすすべもなくほぼ即死。隣で寝ていた18歳の学生も、頭を熊にかぶりつかれたが、必死に殴りつけるなど抵抗して、なんとか一命を取りとめた。
頭に熊の牙の跡を残したこの学生は、帰国後に新聞社の取材を受けて次のように答えている。
「目が覚めて、寝たままの状態から上を向くと巨大な口が見えた。熊の鼻のあたりは血で濡れていて、自分も死ぬかもしれないと覚悟した」
熊の前脚で殴られ、まず肘のあたりを咬まれ、その後に頭を咬まれた時には「自分の頭蓋骨が割れる音を聞いた」という。
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