2025年最もブレイクしたアーティストとして、初の紅白出場を果たすHANA。ちゃんみなが主催したガールズグループオーディション『No No Girls』通称“ノノガ”の最終審査が行われたのは今年1月11日。その日デビューメンバーが決まり、グループ名が決まり、プレデビュー曲が最終審査にも使用された『Drop』に決まり、ファンクラブも発足、春にはメジャーデビューすることも発表されました。

7人組グループのHANA。紅白では『ROSE』を披露する(BMSG/ソニーミュージックレーベルズ)

デビューから1年で紅白へ

 あの日から1年足らずで配信シングル7枚リリース、地上波冠番組スタート、フェスに出れば入場制限がかかるほどの動員をかまし、昨日のレコード大賞では最優秀新人賞獲得、そして大晦日の紅白。スターダムを駆け上がるとはまさにこういうことなのでしょう。

 特に印象的だったのは、今年のHANAの女性誌表紙率の高さ。5月の『ViVi』を皮切りに『anan』『装苑』『エル・ジャポン』に『SPUR』……ここに『AERA』や『日経エンタテインメント!』などニュース誌や経済誌も加わり、本屋さんに行けば必ずやHANAに出会える状況に。これは彼女たちの人気はもちろんのこと、表紙を決める権限がある編集長クラスにHANAがめちゃめちゃブッ刺さっているということなのでしょう。

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 かく言う私も、ノノガにハマり、泣きながら1.12の配信を見ていた一人です。私はそれまでこうしたサバイバル番組をちゃんと見ることができませんでした。それは出演者たちが夢を叶えるためと過度なダイエットの圧に苦しんだり、編集如何で極端なキャラクターを当てはめられたり、その一部を切り取って「性格が悪い」と叩かれたり、何よりそれをエンタメとして享受している年長者の自分の浅ましさにオエッとなったり。デビューすること、アイドルになること、芸能人になること、スターになることとはそういうことだからと、誰もがわけ知り顔の関係者になってしまう構造が怖かったのです。

HANA人気の裏側にある「育て直し」

 だからこそ、ちゃんみなが「誰の手も離さない」と言ったノノガに共鳴し、その後のHANAの破竹の勢いに震えました。そういう女性は多いのではないでしょうか。HANA人気の裏側には、中年女性の「育て直し」みたいな側面があると思うのです。

「誰も諦めません私は」と声をかけるちゃんみな(『No No Girls』のXより)